厳粛に 華やかに―第20回定期総会&沖縄・ベトナム友好の集い のレポート 1.

厳 粛に !華やかに!

第20回定期総会&沖越友好の集い・レポート その1.

  沖縄・ベトナム友好協会第20回定期総会と沖越友好の集いは、去る2010年6月26日(土)夕刻、那覇市内ぶんかテンプス3階沖縄NPO活動支援センターと同・沖縄料理店あじまあで開催されました。そこで、この記念すべき会の様子をやや詳細にお知らせします。

Ⅰ.第20回定期総会
定刻より15分遅れて開会され、まず司会の高嶺久理事の開会挨拶、議長選出が行われ、議長に仲村千恵子理事を選出した。総会成立確認報告では、委任3名と出席25名で成立が確認された。

2.会長挨拶
 つぎに、鎌田隆会長は、概略以下のような内容の挨拶をした。①2010年は、ハノイ遷都1000年目ベトナム戦争終結35周年、また、2011年がドイモイ政策導入25周年ベトナム共産党第11回大会開催年、など記念すべき年であること。②ベトナム経済は、世界経済の危機にもかかわらず2009年には年5.32%の経済成長を達成し、国民1人当たりGDPも1,000ドルを超え「中進国」入りを果たし、1010年には6.5%の成長、1人当たり1,200ドル達成を見込んでいることを報告した。

  

  そして③鎌田は、ベトナムに関する新著を計画しながら、この4・5月には普天間問題で熊本、香川、京都など15カ所を行脚し訴えるなどで、執筆は大幅に遅れているが、去るベトナム戦争で沖縄が、ベトナムの人々からB52の飛び立つ「悪魔の島」といわれたような、戦争の加害の立場に再び立たないためにも、ベトナム初めアジアの国々との友好親善を一層深めるためにも、もうこれ以上沖縄に基地はいらないと訴え続けなければならないと考えていると述べた。

 さらに、④ベトナムが区切りの年であるように、本友好協会も2011年は結成20周年を迎える年であること。⑤前年度2009年度は県立博物館・美術館などとの共催で、シンポジウム1回、講演会3回、連続講座7回、ワークショップ4回、アオザイフアッションショーなどなどを開催しすぎ?て、2010年はやや目立たない年度になったが、それなりに、重要な事項がいくつかあったこと、と指摘した。

 そして、⑥とりわけ、会長・副会長による2009年夏・秋の2回のベトナム訪問があり、まず7月の会長就任表敬訪問時には、本協会の現地機関であるハノイ市郊外のドンアイン沖縄文化経済交流センター(以下DOWACENと略)を初めて訪れて、後述の報告通り順調であることを確認し、9月には三菱重工業の同センターへの太陽光発電装置の贈呈式にも参列し謝辞を述べた。一方で中部フエに設立後の永年の不正常な状態を会長・副会長で正常化したことを報告した。

 最後に、⑨本総会では、来年20周年の記念事業についての理事会としての提案をして、参加者の意見・要望を取り入れて、それらを理事会にもちかえり今年度準備態勢を整えていきたい。参加者の活発な議論で、この会が意義あるものになるよう、ご協力をお願いする、と結んだ。

2.議事
第1号議案 2,009年度活動報告、第2号議案決算報告・監査報告 

 まず、事務局長からの文書報告があり、口頭・文書による追加報告、質疑応答があった。第1号議案については、会長からは、①2009年5月に申請したトヨタ財団の「2009年度アジアの隣人プログラム」への応募企画である『ハノイ近郊の農村における健康食品の生産・製造・流通に関する経営指導(技術移転)』が、同年10月に同財団の助成対象の選に漏れた結果についての経過報告があった。

 

 そして②DOWACENについては、その主な事業である日本語教育で、2008年度タンロン・ノイバイ両工業団地の日系企業約6,000人へ、2000年以来の実績は28社約30,000人以上への教育を行ない、財政状況も安定し、2008年には第Ⅱタンロン工業団地付近のDOWACENⅡを開校するなど順調であり、2009年9月には、三菱重工業が同センターに対して『太陽光発電装置一式』を贈呈し、その贈呈式が挙行された。

 

 ③一方で、ベトナム中部の古都フエに設立したFUWACENについては、運営を任されたベトナム側カウンターパートの中心人物の背信行為で、この間全く機能しなかったので、出張した私ども会長・副会長で一計を案じて、その中心人物抜きの態勢で事業を継続発展させる方向で秋9月の際訪問時に合意書を作成し調印式を行った、現在フエの出先機関はその新体制で再出発しており、その後のベトナム中部の台風水害被害救援カンパや、この6月のフエ国際文化フエステバルへの沖縄南部文化協会芸能団の派遣も、この新しい体制のもとに行われたという、追加報告があった。

 

 なお、DOWACEN・FUWACENについては、両センター所長である与儀善栄副会長から、直前に開催されたフエの国際フエステバルの様子も含めて詳細な報告があったが、フエステバルについては、沖越友好の集いの項で詳述する。また、会長からとくに、従来一個人の物心両面の献身で支えられてきた両センター活動を協会全体の事業として明確に位置付けするためにも、普段からの理事会報告や審議が必要であるとの発言があった。
以上についての報告を原案通り、全会一致の賛成で承認した。

 第3号議案 2010年度事業報告、第4号議案 2010年度会計予算、第5号 会則の変更、第6号議案 役員改選

 2010年度の事業については、例年のような活動の柱の外に、協会設立20周年記念事業の準備活動の柱を新たに追加することが提案され、理事会としての記念事業についての提案があった(この全文については、協会ホームページで近日中に掲載予定)。

 事務局長の原案提案の後、追加説明の会長からは、①前年のトヨタ財団助成への今年度オフアーの企画について「沖縄とベトナムにおける文化芸術による相互理解の試みーとくに児童の描く戦争絵画の交流を通して」というタイトルで、佐喜真美術館、くすぬち平和文化館、沖縄県立平和祈念資料館などとの折衝を経て去る5月13日にトヨタ財団に提出済みであること、今年度中に実行員会を結成して、助成の如何を問わず来年度に協会設立20周年事業の一環として実施に移されることなどが報告された(この企画についても、協会ホームページで紹介予定)。

 ②沖縄・ベトナム設立20周年事業については、創設者である福地曠昭氏の功績を讃えるが、単なるセレモニー的な催しに偏ることなく、20年目の記念となるような事業を提案することとして、以下の諸課題が提案された。沖縄とベトナムの文化交流シンポジウム、沖縄とベトナムの戦争絵画展、訪越代表団・在日ベトナム大使の招聘、20周年記念誌(DVD版)、ベトナムの学生への奨学金の募集、その他の記念事業の6本の柱である。

 第5号議案として、現在顧問である福地曠昭氏を名誉会長に格上げするための会則改正、(第17条 役員の種類及び数)に名誉会長を加え、顧問を2人から3人に増加する、を承認の上、第6号議案により、名誉会長 福地曠昭、顧問 大城栄徳・本村繁、以下、16名の理事、2名の監事の役員案が提案された。会長からとくに理事構成に婦人・若者の参加に対する希望が出され、新城洋子氏を理事に加えることも含めて承認され、新年度事業を支える新体制が確立されて、全議事を終了した。

 なお、定期総会・友好の集いに寄せられたメッセージ要旨は以下の通りである。

 開催に祝意と連帯の挨拶を送る。普天間基地撤去で県民が国民の先頭で闘っていることに敬意を表する。貴会が2009年度に大きな成果を挙げていること、とりわけDOWACEN事業、奨学金制度の運用開始、在沖ベトナム学生との交流、フエ文化交流、ホームページなど宣伝活動、会員拡大などである。2010年の設立20周年事業含め、今日の日越関係の発展に相応しい前進に驚きと感動を覚える。日越協会も本年創立55周年を迎え、1000名会員回復に努力している。総会が成功することを祈念する。
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 総会の開催を祝す。琉球王国と中国の交流は500年余り、ベトナムとの交流も本土幕府に300年先立つという。隣国との交流、架け橋の深化は共通の課題である。今後とも友好の絆を深め、互いに激励し合って行こう。                          日本中国友好協会沖縄県支部支部長 上里賢一

 これまで、沖越の友好関係に様々な視点から取り組んできた貴会が設立20周年を控え第20回総会と友好の夕べを迎えることに祝意を表する。今後一層の活躍と発展を祈る。
                特定非営利活動法人 沖縄NGOセンター 会長 新垣誠
  
                                                                                    文責 鎌田 隆

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