カテゴリーアーカイブ: 活動情報

Dowacen滞在日記・上原耕生

ラオスから金曜の夜中に帰って参りました。
ついでにタイにも足を運び、遺跡(公園等)を観光してソンクラーンという旧正
月恒例の水掛け祭りに参加してきました。

          

 

   

日中35度のラオスとタイでしたが、その暑さに手伝って若者たちの祭りに対す
る熱気はすごいものでした。街を歩いている見ず知らずの他人にお清め(厄よけ)
としての水掛けテロリズム。(笑)
観光客だろうが、どんな服を着ていようが現地の人たちにとってはおかまいなし
の無礼講の日でした。

小学生の頃水風船を抱えきれないくらいこしらえて、友達と追いかけ合って戦争
ごっこをしたスリリングな一時を思い出しました。日本では、大人になってこう
いうことはしてはいけないという世間体のような暗黙のルールがあります。

ベトナムでも、仕事を終えた年配(50~60代)の人たちが恥ずかしげもなく、公園
に集まって子供のようにサッカーやバレーボールをして過ごしているのを見かけ
ました。
例えば東京で残業漬けの毎日で帰宅ラッシュに揉まれながらクタクタになって
義務感に虐げられて過ごす大人達にこういう光景を見せてあげたいと思ったりし
ました。
日本人は“辛いのは自分だけじゃない”という、忍耐の美学のようなものを強く持
っています。
これは今度の震災時で世界から高く評価された秩序や、他人への思いやりという

良い面でも顕著に現れましたが、日本の社会性(と国民性)を非常に典型的に表
しているものと思います。
日本でよく使われる “大の大人が、、” という言葉や僕の大人に対する偏見を
この旅で、いとも簡単に覆されてきました。
やはりこういった知らない国での滞在はちょっとしたことですが気付かされるこ

\nとが多いですね。

あけましておめでとございます!

あけましておめでとございます!

昨年の暮れ12月9日~17日で「子どものみた戦争と平和」展を主催:沖縄ベトナム友好協会 協力:沖縄県平和祈念資料館により、沖縄銀行本店で開催をしました。(詳細は沖縄ベトナム友好協会のHPを参照ください)
  その活動から、沖縄県平和祈念資料館館長:大川芳子さんから「写真の中の少年」(駒草出版)を紹介されました。この本は平和資料館が、1992年~2010年までの詩部門の最優秀作品を集めた本です。
今年の読み始めの一冊で、恒久平和を願う県民の一人として、皆様にも読んでいただきたく、本から一説を紹介いたします。

世界を見つめる目               小学校・4年 喜納 英佑

やせっぽちの男の子が              ほほえみながら、ぼくを見つめた
テレビの画面の中で・・・          僕も男の子を見つめた
どんな事があったの?              何も食べる物がないんだ
でも、ぼくは生きたい              くるしいけど、あきらめない
ぼく がんばるよ                   えがおが ふれる
生きる人間の力強さを感じた        ぼあくは 真実を見つめる目を
持ちたいと思った 

悲しそうな目をした女の子が        なみだをうかべながら、ぼくを見つめた
テレビの画面の中で                ぼくもその女の子を見つめた
なぜ、悲しい顔をしているの?      なぜ、ないているの?
せんそうで、家族もいなくなったやった
家も 友達も                       全部、全部なくなっちゃった
悲しいよ さびしいよ               どうすればいいの 助けて
大切なものをなくした人間の弱さを感じた
ぼくは 涙をふいてあげる           やさしい手を持ちたいと思った

(詩は、もっと続いておりますが、紙面の都合上お許しください)
尚、この詩は、2008年 小学校最優秀作品に選ばれました)
「写真の中の少年」(駒草出版)

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ベトナム俳句事情

越日文化クラブ設立(2010年10月24日)

ベトナムの人々が俳句を読むようになったのは、2006年ごろと言ってよいでしょう。もちろん数十年前にサイゴン(現ホーチミン市)で日本の俳句について紹介したり、翻訳した方々はおったようですが、広がりを見ることはなかった。勢の人々に関心を持つようになったのは2006年からだった。

 
越日文化クラブ発足式(祈念写真)                    俳句クラブのメンバー

在ホーチミン市の日本総領事館と若者新聞・BAO TUOTTRE により開催した越日俳句コンテストが切っ掛けにホーチミン市の外国文学の教授、教師たちの積極的な運動で、ホーチミン市俳句クラブが成立された。 今日まで二回、同じコンテストを開催したので、全国、特に大きな都市に俳句を詠む大学生、外国文化学の教師、外国文学研究者など詩を愛する人たちの間にブームになった。

        越日友好協会会長、鳩山元総理、在ハノイ大使
                                             会の発足に参加を頂きました。                         

    ハノイとホーチミン市の俳句クラブの正式なメンバー数は、今日百人を数えるがそのほとんどは日本語が出来ない。でも、日本の文化、日本の文学が好きな人たちで、特に短くて意味深い俳句形を好んでいる。
ベトナム語と日本語のとの言語構造に違いがあり、日本語の俳句5-7-5を遵守するのが難しいが、短い三行詩だと言って良い。
これからも俳句人口は増えることでしょう。

\n                                                                                レポーター:L T B

『ベトナムは今!』No.50 ニュース解説 経済発展ゆえの悩み!?-中進国ベトナムの今後の課題

『ベトナムは今!』No.50― 今週の見出しから

最低賃金、来年150万ドン超え?ワーカー不足解消に向け (NNA21日)

「日系企業の対越投資は製造業からサービス業へ移行する傾向にある」
(Bao Kinh Te Viet Nam 14日―FUJINETニュース1918号)

政府保証債の発行額、年々増加:海外借り入れは4年で4(NNA22日)

小売業界拡大も制度は未熟:外資進出は困難 (NNA16日)

ベトナムの鉄道事業で人材育成=自治体初、2010年にも―大阪市
(JiJicom 19日)

★日本企業の対ベトナム投資額は既に15億ドルに及ぶ:
(Lao Dong Online 15日―FUJINETニュース1916号)

★ニントアン省に発電200MWの風力発電所を建設:
(TBKTSGN Online 13日―FUJUNETニュース1916号)

★ポリマー製紙幣、10万ドン札の偽札は最も多い:
(VnExpress 14日―FUJUNETニュース1916号)

ニュース解説 経済発展ゆえの悩み!?-中進国ベトナムの今後の課題

ベトナムの今年2010年の経済成長率は6.7%と政府目標率6.5%を上回り、同年一人当たりGDPは1,200ドルに達した。さらに、ベトナム経済はこれまでの10年に平均7.2%の高成長を遂げ「後発途上国から脱却し、中所得の途上国入りを果たし」た。

今後10年は「2020年までの工業国入り」と「政治・社会の安定、民主主義の実現」に努力するため、今後2011年~15年に年平均7.5~8%の成長を設定し、2020年には1人当たり国内総生産(GDP)を2010年の1,200ドル(約10万2,000円)から約2.5倍の3,000~3,200ドルに引き上げる目標である。なお輸出は5年間平均12%増、財政赤字は2010年の対GDP比6.2%を15年には4~5%に縮小の見通しである。

これまでの前期10ヵ年計画の「急成長」追求路線から「迅速かつ持続的な成長」重視路線に転換する。また工業分野でも量的拡大だけではなく「質と競争力の強化」が重要であることから、情報技術(IT)などの競争力のある製品開発が最優先分野である。
以上は、8月24日明らかになった、ベトナム共産党の来年1月開催予定の第11回党大会で採択される「2011年~20年の社会経済発展戦略」(10ヵ年戦略)草案によるベトナム経済・社会の総括と展望である。

その他、1990年以来で、ベトナム経済の世界経済への統合は、対GDP比率で、輸出36%・輸入45.3%(1990年)から76.8%、90.2%と飛躍的に進んでいる。
一方で、経済成長のひずみである貧富の格差では、2004年のGINI係数で37.1(中国は2004年で45.5)とアジア諸国に比べても良好であり、1日1ドル以下の貧困層の比率でも、1990年~2005年で、中国32.5%⇒7.3%、アジア全体で34.6%⇒18%に比べ、ベトナムは50.66%⇒6.48%と著しく改善され、貧困削減政策が奏功していることを示している。

また、北部にも外資が入り出したことや政府資金が貧困地帯に重点的に投入されていることなどで、地域間格差も拡大の程度が緩和されている(2010年9月日越友好協会記念講演会での古田元夫報告など)。

他方で、このようなベトナム経済の好調さを示す諸報道のなかで、「ベトナム経済、停滞期入りの恐れ=政策見直しが急務」というショッキングな報告書が出た。

これは、世界銀行とベトナム社会科学院(VZSS)共催で8月に開催されたセミナーの報告書である。ドイモイ(刷新)政策の下急成長を続けてきたベトナムが、停滞期に入る恐れがあり、政策の見直しが迫られているという。
世界銀行・VASSの合同報告書は、ベトナム経済が、国営企業グループを中心とした天然資源開発に過度に依存しており、活力に欠けている。運輸などのインフラ開発が遅れているほか、教育面でも国際水準との大きな開きがあり、熟練労働者の育成が困難な状況にあると指摘している。

そのため、VASSのドー・ホアイ・ナム院長は「中所得国の地位のまま停滞することを避けるための厳しい課題を乗り越える努力が必要」と警告しているし、グエン・タン・ズン首相も「現在の一人当たりGDPが現在の1,200ドルから2020年に3,000~3,200ドルに増加する場合、地域・人種間格差の拡大という課題が伴っている」と指摘した。
また、同課題について、ベトナム経済研究所のチャン・デイン・テイエンテエン所長は、別のインタビュー記事で以下のように述べている。

多くの発展途上国は、結局は「平均国民所得の罠(以下、罠と略)」に陥っている。一人当たりGDPが3,000~5,000ドルまたは7,000~8,000ドルに達した段階で足踏みしその水準を超えられない例が多い。それは、経済発展のための潜在能力の漸次的低下、資源枯渇、低賃金の優位性の消滅、成長に伴う環境汚染、貧富の格差、社会階層間矛盾など解決を迫られる課題が惹起することが原因である。

例えば、韓国・台湾・シンガポールなどは「罠」を超え、メキシコ・ブラジル・アルゼンチン、またアジアのタイ・インドネシアは「罠」を超えきれずに足踏みしている。
ベトナムがその水準に達したときにその「罠」に陥ることのないように、現在から新経済成長戦略を検討する必要がある。競争能力・新技術・高度先進技術をもつ世界的大企業がないことで、危険性は極めて大きい。具体的には「高度な技術をもつ環境にやさしいグリーン経済の構築」である。従来の資源開発・単純労働・原料輸出依存の成長モデルの転換が必要である。そして、その担い手である大手企業として、従来の国有企業に代わる民間企業への支援が最重要であり、市場経済のなかの民間企業の育成である。

このように、ベトナム経済が中進国入りという新たな段階に入るに当たっての、経済戦略の転換という意味の「ベトナム経済の停滞期入りの恐れ」の警告であり、それは、来年1月のベトナム共産党大会でも十二分に受け止められて、ベトナムの今後の発展のための指針として打ち出されるであろう。その場合も、決してギスギスした経済効率一辺倒の経済ではなく、ベトナムらしさのある環境にも人間にも暖かい経済・国づくりの将来像を切に望むものである。

(鎌田 隆)

お知らせ

10月初めから中旬まで、「タンロン=ハノイ1000年ツアー」に参加します。経済だけでなく、楽しいリポートをお届けできると思っています。

その代わり、「今週の見出しから」は少し休ませて頂きます。(編集子)

2010年9月26日

この欄は、原則として

毎週1回は、ベトナム・日本のベトナム関連情報の見出しを

毎月1回は、ベトナム経済解説(鎌田 隆)を

お送りしております。見出し記事の詳細は、(協)日越交流センターへ

E-mail:Vietnam@lapis.plala.or.jp へどうぞ!!

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